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2010年 02月 16日
バーカウンターの中で働いていると、ホールの女の子が来て言った。
「すみません、たらふくタオル持っていっていいですか?」 「え? なんで?」駄目だよ。 「キッチンのタオルを洗濯してしまったので乾いているのが無いから」 「なんで? なんで? そんなにたくさんタオルいるか? そっちで。」 「お皿拭きたいんですよ。」 皿拭くタオルな。 「一枚どうぞ。」 「ありがとうございます。滑舌悪くてすみません。」 「ほんとだよ。」 そして家路へ。 昼間、スーパーで買い物をした時に、ビールを6缶入りで買ったんだ。確かに。 で冷蔵庫の脇に置いた。冷やしておくのは2本でいいか、とその時思った。ただ実際入れたかどうかの自信がない。どっちだ? 一日の終わりにぬるいビールなど飲みたくはない。コンビニはもちろん開いているが、スーパーで買うより20円は高いだろう。もし昼間買ったものがきちんと冷蔵庫に入っていたら、損をしたことになる。入っている方に賭けるか? そういう賭けはたいてい負けるものだ。だいたい賭けに負けてさらにぬるいビールというのが最悪の結果であることは言うまでもない。 それでコンビニで買って帰った。 ビールはきちんと冷蔵庫に収まっていた。 今日実際に起こったことである。些細なことと言えば些細なことだ。 読み進めている佐藤正午著『取り扱い注意』がもう物語の終わりに来ている。その本の中での言葉を使えば、ル・グラン・モマン(もちろん『ロリータ』から引用しているわけだが)を過ぎたあたり。 佐藤正午の作品は大筋もしっかりしているし伏線回収も見事だが、些細な描写が非常に面白い。 本当に面白い。 たぶん読書家でもあるのだろう。そしてその影響もところどころ見受けられるが、必ず自分のものに消化、もしくは昇華している。作品自体のアイデアも優れ、かつ細部に渡り読書を楽しませてくれる作家はあまりいない。そのどちらかを持っている作家はたくさんいるが。 これから、もうあと僅かのページ数を結末までビール(よく冷えた)を飲みながら読む。
by m-s-t-pink
| 2010-02-16 01:36
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